40を過ぎてこれまでの生活を振り返ったときに、別に東京じゃなくてよくないか?と思い始めたのが去年の冬頃。47都道府県すべてに足を運んだ経験から、あそこに住めたら良さそうだなあと何となくのフィーリングで3~4県に候補を絞り込み、その地方の移住サイトや県内にある同業の企業(転職先の候補)や住めそうな物件とかを眺めていた、というのがここまでの流れ。ほかには銀行口座やカード等と紐づけてあるアプリから、自分の月間の支出を把握するということもやっています。
しかし、そこから先は何をすればいいかがよく分からなかったので、候補のうちの一つである愛媛県の移住フェスに申し込んでみることに。ここからは実際に参加してみた感想です。
ちなみに愛媛が候補になったのは、以下のような理由です。
- フェリーや飛行機から見た瀬戸内海の風景があまりにも美しかったから。
- 松山市は四国最大の都市であり、日ごろ買っている洋服やら日用品やらの店舗があるから。
- 温暖な土地だから。
- 松山空港から地元の空港まで直行便が出ているから。
- ふるさと納税で「紅まどんな」を頼んでいるから。
うっすい理由だなあ…という話はこの後で。
えひめまるごと移住フェスとは?
有楽町の交通会館で開催されたイベントで、愛媛県の各市町村の移住担当の方がブースを出し、移住相談に乗ってくださるイベントです。概要はこちらの通りですが、主なコンテンツは3つです。
contents1/移住・就職等個別相談
県内の20市町村だけでなく、商工会議所や企業者向けのスタートアップコミュニティのブースなどもあり、仕事の相談もできました。自分には縁がないですが、家族での移住者向けに教育委員会のブースも。
contents2/移住者講演「えひめで暮らす、働く。」
実際の移住者の方の講演。午前中にやっていたのですが、自分は午後から参加だったので聞けませんでした。
contents3/地域おこし協力隊
地域おこし協力隊の方のトークセッションや募集説明。自分はあまり興味がなかったので聞いていませんが、20名くらいの方が参加されていました。
会場で自分がしたこと
1.戸惑い、後悔する
会場のフロアに足を踏み入れると、そこにはずらっと各自治体のブースが並んでいて、正直気圧されました。なにせ旅行で訪れたのはせいぜい3地域くらいで、あとはほぼ知らない市町村なのです。ろくに下調べもしてこなかった上に、上に書いたように大した理由もなく参加してしまった。。。ブースで話をされているのは家族連れの方が多くて、ふらっと来てしまった自分とは違って本格的に移住を考えていそう。。。
どこのブースに行っていいかもわからないし、行ってみたところで何を話したらいいやら…会場に入って3分後には自分の浅はかさを後悔し始めていました。
2.資料に目を通し、愛媛に住みたい理由と住む上での条件を考える
そうは言ってもせっかくの機会。何かはせねばと思い、とりあえずいただいた大量の資料に目を通すことに。いただいた資料はざっとこんな感じ。
- えひめ暮らし…愛媛移住の入門書的なパンフ
- 各自治体の案内冊子…主に各自治体が出している移住者向けの情報が記載されているパンフ
- イベント告知…近日東京で開催されるイベントの告知や、現地で行っている移住者や地域協力隊向けの体験ツアーの告知チラシなど
「えひめ暮らし」の中に「えひめ暮らしまでのステップ」というページがあり、STEP1と3が愛媛に移住したい理由を考えること、愛媛に住む上での条件を考えることになっていたので、その場で考えてみました(ちなみにSTEP2は家族の同意を得ること)。
理由(上の内容)は考えてみたものの、あまりの内容の薄さにブースに向かう不安がより増しました。(こんな理由じゃ相手にしてもらえないのでは…。気分を害してしまうのでは…。)
移住先での生活の条件は理由と重複する部分がありましたが、「最低限貯金はできる暮らしがしたい」という経済面は譲れないポイントだとあらためて自覚しました。ということは愛媛県のお仕事事情は聞いてみた方がいいなと思い、商工会議所のブースにはいってみようと、ようやく会場内でやるべきことが見えてきました。
また、各自治体のパンフを読んだものの、違いはあまりよく分からなかったので、まずは愛媛県自体について知る必要があると思い、自治体ではなく「愛媛県」のブースに行ってみることも決めました。
3.愛媛県ブースで県の概要、商工会議所ブースで県内での転職について話を聞く
最初に向かったのは愛媛県のブース。かなり緊張したもののの丁寧に話を聞いていただくうちに、
- 県内での転職を考えるなら松山市が良さそうなこと(現在の自分の業種含め、圧倒的に求人が多い)
- 収入的には東京でフルリモートの企業に転職する形が良さそうなこと
- フルリモートの企業に転職する場合は、都心部にこだわらず、風景を楽しめる市町村も移住先の候補になること
が見えてきました。大した理由もなく参加したことをなじられることはなく(よく考えたらそんなことになるわけはないのですが)、情報整理していただけたことで、次は松山市のブース(県内で転職するケース)と、以前足を運んでこんな風景を毎朝見られたらなあ…と思った伊予市(サムネイルにした双海地区にある下灘駅が有名)やしまなみ海道の途中に位置する上島町のブース(いずれもフルリモートのケース)にも行ってみることに決めました。
次に足を運んだ商工会議所のブースでは県内での転職事情について伺いました。
- 収入は20%~30%は下がる可能性が高い
- 家賃は下手したら東京の半額くらいで済む
- とはいえその他の生活費はそれほど変わらない可能性がある
というようなお話を伺い、貯金ということを考えるとやっぱり東京でフルリモートの企業を探すのがベターかなと考え始めました。
4.松山市、伊予市、上島町のブースでそれぞれの地域での生活について話を聞く
最初にお話を伺ったのは松山市。市内でも車は必須なのかが気になっていたので質問してみたところ、車文化なので基本はみんな持っているが、通勤時は駐車場代が出ないケースもあるので、市民の20%は自転車通勤というお話が印象的でした。たしかに旅行の途中で用事があって立ち寄った市役所にも自転車が並んでいた記憶。
移住に当たっての視察の際は、事前に予約すれば交通費の補助が受けられることや、市役所職員も募集されていること(そしてover40の自分の年齢でも受けられる職種がある)も伺えたので、今後の行動の選択肢が広がりました。
次にお話を伺ったのは伊予市。自分は下灘駅の近辺しか行ったことがありませんでしたが、松山空港の割とそばの地域まで伊予市だということで、伊予市の中でもいろんな地域が選択肢になりうることが分かりました。気になっていたのは松山市以外だと一人暮らし向けの住まいがないのではということ。実際伊予市にもアパートはほぼなく、移住される方はほぼ一軒家とのこと。空き家バンクやリノベーション、耐震補強の補助金のお話を伺い、なかなか大変そうだなあ…という感想を抱きました。
最後にお話を伺ったのは上島町。会場に来るまでは失礼ながら存じ上げなかった町なのですが、自分が強く魅せられた瀬戸内海の島からなる町ということでお話を聞いてみました。
島での暮らしというが想像がつかなかったので、お話を伺う中で、
- 買い物や緊急の際の病院などは広島側に行くこと(しまなみ海道の愛媛側の料金より広島側の料金の方がだいぶ安いのだとか)
- 大きな島同士は橋でつながっているが、島を出るときはフェリー(車で乗れるやつ)になること
- スーパーやコンビニ的なお店があるが、夜になるとほぼほぼ閉まっていること
- 空き家バンクだけでなく町営の住宅があること
- 直近5年間で300人近くが移住してきていること
といったことが分かり、せっかく移住するならそんな生活もいいのかもという気持ちになりました。上島町でも視察時の付き添い、案内はしている(交通費の補助はない)とのことだったので、一度足を運んでみたいと思いました。
まとめ
ということで、無計画で参加し、一瞬参加を後悔した移住フェスですが、ブースの皆さんに親身に話を聞いていただいたことで、次の行動の選択肢が見えてきました。
- フルリモートで働ける転職先を探すため、転職エージェントに相談してみる
- 愛媛県内の各自治体の体験ツアーに参加してみる
- 移住先の候補にしているほかの県の移住フェスにも参加してみる
移住を考えているけど具体的に何をすれば?と思っている方は、ぜひ移住フェスに参加してみることをおすすめします。次の選択肢が見えてきて、自分にとってはすごくいい機会でした。
ただし、最低限その土地に移住したい理由や、移住時の条件は考えておかないと会場内で立ち尽くすことになるかもしれないので、最低限の準備はした方がいいとも感じました。もちろんブースでは親身に話を聞いてくださいますが、下準備があった方が充実した機会にできるのは間違いないと思います。自分の二の舞にならないよう、皆さまはご注意ください!
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