石川県での募集について書いた前回の記事はこちら。少し間が空いてしまいましたが、今回は地域のボランティアセンターでの募集で参加した2回目について。
参加方法と費用② 地域のボランティアセンターでの募集の場合
・参加方法
初めて参加した能登の被災地ボランティアで知ったこと①に記載した通り、県での募集による参加だと交通費や宿泊費は自前にならざるを得ず、それを都度捻出するのはなかなか厳しい…ということで、ほかの方法はないのかな?と思い、リサーチを開始。
「現在住んでいる自治体名+ボランティア」で検索したところ、地域のボランティアセンターから被災地へ定期的に派遣を行っているという情報を発見。参加方法は石川県の募集とほぼ同じ。まずはボランティアセンターのホームページ内にあるフォームから災害ボランティア登録を行い、募集されている派遣日のフォームから申し込みを行う、という形でした。
その後、メールで注意事項や持ち物等の連絡をいただき、当日はまず地域のボランティアセンターに集合。参加メンバーで簡単な自己紹介等を行った上で、移動開始という流れでした。ちなみに2泊3日の工程で、
金曜夜…ボランティアセンター集合後、ハイエースで被災地へ移動。(車中泊)
土曜…朝に被災地に到着。富山の漁港で朝食を取った後(おいしかった…)、被災地のボランティアセンターへ直行。そのまま午前中に1件、午後にもう1件公費解体のご自宅の片づけを行い、その日はお寺に宿泊させていただく(本堂に寝袋を敷いて寝るというとても貴重な体験でした)。
日曜…午前中に1件公費解体のご自宅の片づけを行い、そのままハイエースでボランティアセンターへ戻る。
という具合でした。石川県の募集は個人参加の寄せ集めという感じでしたが、今回は地域の団体として参加するということもあり、チームで活動する意識が強くありました。協力しての活動だけでなく、移動や食事の中でいろいろなお話をさせていただく中で、連帯感も強まっていったように思います。見ず知らずの方々ではありましたが、最後は解散が名残惜しく、また参加しようという気持ちになりました。
・費用
総計:¥13,000
- 参加費:¥5,000(交通費、宿泊費含む)
- ボランティア当日の飲食費:4,000(2日目、3日目の昼食と水分をコンビニで購入×2日。2日目の朝食は富山の漁港で、2日目の夕食と3日目の朝食は能登のスーパーやお弁当屋さんで購入)
- 装備購入費:¥4,000(寝袋はマストだったので新規に購入。事前に虫が多いという注意伝達があったので虫よけネット、雨予報だったので、雨具(上はポンチョがあったので下のみ)も購入)
1回目に参加したときに安全靴を買ったり、ボランティア保険に加入したりしているので、それも含めると実質¥18,000くらいです。1回目の半額くらいで参加できているので、費用的には団体経由の方がはるかに安くなることが分かりました。
とはいえ、9名が乗り込んだハイエースでの車中泊は、狭さやら暑さやらでやっぱりなかなか厳しいものでした。しっかり寝ないと活動に差し障るという思いで余計寝られなかった気もします。ただ、2日目の夜は1日活動した上で、お風呂にも入り、お寺でぐっすりと寝られたこともあり、3日目の移動は苦になりませんでした。
ボランティア経験が豊富な方が多かったので、帰りの車内ではこれまでの経験やボランティアに関する情報収集の話を聞かせていただいたりして、とても勉強にもなりました。
・装備
事前のメールでいただいた持ち物には、1回目に用意しなかったものもいくつか含まれていました。
- 長靴
- 工具
- 虫よけネット
- 寝袋
- 仮眠グッズ
などです。長靴や工具、虫よけネットなどが持ち物に入っていたので、1回目とは少し違う動きをしたり、津波の被害があった場所などにもいくのかな?と思っていました。ただ、実際には1回目と同様に被災地のボランティアセンターでマッチングして現場に向かう形だったので、一般的なご家庭での一般的な型付け作業でした。イメージとしては引っ越しのアルバイトに近いと思います。
今回は宿泊を伴うので、寝袋や仮眠グッズ(ネックピロー&アイマスクを持参しました)も必要でしたが、それ以外は1回目の持ち物で何ら問題ありませんでした。
ボランティアに参加して感じたこと
ということで、石川県の募集と地域団体の募集による違いをまとめました。費用を気にするなら団体経由が良いですが、観光を兼ねてとか自由な時間が欲しいということであれば、個人での参加が良いと言えそうです。
活動内容にはあまり触れなかったので、最後に40歳を超えて初めて参加した感想を少しだけ。
行く前は何ができるわけでもない自分が参加して大丈夫だろうかという不安もありましたが、自分にできることを一生懸命やればいいというのが、2回の参加で学んだことです。
考えてみれば当たり前ですが、ボランティアに怪我や病気がないようにということはボランティアセンター側で最大限配慮してくださっているので、「何のスキルも持たないボランティア」でもできることが割り振られています。現地でボランティアのプロのような方にも大勢出会いましたが、難しいことやスキルが必要なことは、ボランティアに限らずそれに対応できる方が行います。
初めてだし、何のスキルもないし、参加しても足手まといで役に立たないのでは、と参加を躊躇される方もいらっしゃると思いますが、現場に行けば自分なりにできることがあります。体力のない高齢の女性の方もいらっしゃいましたが、重いものを運ぶことはできない代わりに、ごみの分別を細かく行い、ごみの運搬を効率よくできるように動いてくださっていました。おうちの方とうまくコミュニケーションを取りながら、場の雰囲気を和らげてくださる方もいました。経験や能力の個別差はあっても、自分にできることを考えて動く姿勢が何より大切であり、日ごろの仕事のスキルとは別の、いち人間としての本質が表れる場だなとも思いました。
現地で実際に活動を行ったご自宅は高齢者の方のものばかりです。人生の晩年に差し掛かって、終の棲家になるはずだった家がなくなってしまう、その土地で生きられなくなってしまうというのがどれだけ辛く、受け入れがたいことか分かりません。ただ、実際にお会いした方々は、何にせよ片づけないと先に進めないという感じで、半年の中で気持ちに折り合いをつけて立ち合いに臨まれている印象でした。そういう姿を目にすると、自分もできないなりに何か力になりたいという気持ちが自然とわいてくる感覚がありました。
被災から半年が過ぎてあらためて復旧、復興が思うように進んでいないことが取りざたされつつあります。輪島市に復興支援の拠点「能登創造的復興タスクフォース」が設置され、能登地域への復興応援割の実施移行が表明されるなど、少しずつ大規模な取り組みも進んでいますが、個人レベルでできることとして、また近いうちにボランティアに参加したいと思います。
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