阪神ファンながら、ベイスターズ度会選手のスター性には目を奪われる

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昨日の阪神vs横浜。最終回2アウト満塁で阪神が1点ビハインドという場面。代打原口選手の見事な流し打ちが前進守備を敷く横浜のライト度会選手のもとへ。

1点リードの2アウト満塁という場面。横浜に唯一9回での勝ちの可能性があるのは、ホームインの前にファーストでアウトを取ることでした。度会選手は猛チャージし、そのまま1塁に送球。バッターランナーは足が速くない原口選手。試合後の阪神岡田監督が真っ先に「いい球がいっていればアウトだった」と振り返った通り、タイミング的にはアウトになりそうでした。しかし、送球は引っ掛かり無情にも1塁ダッグアウトへ。1ヒット1エラーで阪神の逆転勝ちという結果になりました。

一斉にダグアウトを飛び出す阪神の選手たちと対照的にうなだれる度会選手。2回にはダメ押しとなったであろうタイムリー性の当たりを阪神セカンド中野選手のスーパープレイに阻まれ、5回には阪神野口選手のライト前ヒットを後逸し、阪神に追い上げのきっかけとなる1点を献上。そんな中で最後に自分のエラーで負けてしまったわけなので、それはそれは悔しい1日だったと思います。

しかし、8回裏にはこんな場面もありました。2アウト満塁、5-3で阪神2点ビハインドからから中野選手のライト前ヒットが飛び出し、打球は度会選手のもとへ。2塁ランナーは俊足の植田選手でした。

前回の阪神vs横浜のカードでは、最終回に度会選手のバックホームがホーム1塁側にそれて、2塁ランナー植田選手にサヨナラの生還を許す場面がありましたが、今回はしっかりとホーム3塁側にバックホーム。同点のランナーとなる2塁ランナー植田選手が自重したこともありますが、回っていればアウトだったでしょう。恐らく前回の反省を生かして投げたのだろうと思います。

そういう星のもとに生まれたのか、良くも悪くも目立つ場面が多い人というのは、不思議といるような気がするし、それをスター性と呼ぶんだと思います。同点、逆転につながる場面で、一つは阻止し、一つはミスをしたというのが今日の度会選手でした。

度会選手がミスをして負ければ、それはもちろん目立ちます。でも、いち他球団ファンとして感じるのは、この悔しさをばねに、少しずつミスが減っていったとしたら、という恐ろしさです。もし、最終回の送球がそれずにファーストゴロでゲームセットになっていたら、度会選手はミスを見事に取り返してヒーローになっていたでしょう。目立つ場面に出くわす人は、その場面をものにすればその数だけヒーローになるのです。阪神で言えば森下選手がそんな雰囲気を持っています(今はファームに落ちてしまいましたが…)。

名手と呼ばれた元中日・阪神の福留選手も、1年目はそれはもう守備でたくさんのミスをしていました。ショートからコンバートされた外野では、とんでもないミスも一度や二度ではなかったと思います。度会選手も福留選手同様に高卒からそのまま社会人なので、年齢はまだ21歳。今年は悔しい思いをすることも多いと思いますが、ミスが目立つのはそれだけ目立つ場面にいる証拠でもあります。

5回の後逸の場面では全力で追いかけて、最後はフェンス手前でスライディングをして捕球していました。ああいう場面で全力で追いかけるのは、すごく難しいことです。一瞬気落ちして足が止まる選手も多いと思います。後逸した後は恐怖心がすごいと思いますが、それでも最終回には臆せずチャージしました。原口選手の打球がセカンドを抜け、猛烈にチャージする度会選手に画面が切り替わった瞬間には、正直やばい、やられたと思いました。目立つ場面にいるだけじゃない。うまくいってもミスしても全力。そんなところが、人の目を引き付けるのではないでしょうか。

そんな度会選手の姿を見ていると、今の悔しさをばねにとんでもないスター選手になるんじゃないか、今日も度会にやられたと思わされる日が来るんじゃないか、という気持ちになります。阪神ファンとしては恐ろしいことではありますが、いち野球ファンとしては、そんな日が来てほしいという思いもあるのでした。

頑張れ、度会選手。でも阪神戦ではほどほどに。

追記:度会選手の表記が渡会となっておりました。大変失礼いたしました。。。

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